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1 長崎県柔道競技の強化事情

 県協会では,各地区柔道協会をはじめ道場連盟,中体連,高体連などの各関係機関と連携を図り強化に対して真剣に取り組んでいます。

 国民体育大会(以下,国体)は4種別(成年男子,成年女子,少年男子,少年女子)を各県の最強メンバーで構成し,総動員で全国に挑む大会です。国体に出場することはその県の柔道に対するがんばり具合を証明することになります。もちろん,各県で競技人口,学校,指導者,企業,練習環境など結果を左右するリスクもありますが,これも競技普及率を示すその県のバロメーターになるのです。

 つまり,国体は各県のスポーツ行政のひとつの結果であり目標なのです。

 国体では,各競技種別成績を得点化し,県対抗で総合順位(天皇杯)をつけます。このことに疑問視する声も聞かれますが,少なくとも,今後その県スポーツ界の目標とする普及・強化の基準となりますので無視できないのも現実です。長崎県は「20位台定着」を目指し,競技力対策本部を立ち上げ,競技団体に対して様々な助成を行っています。本年度の天皇杯16位をはじめ,近年の長崎県スポーツ界の躍進は他県から注目されています。

 さて,近年,長崎県柔道界も大きく躍進しました。柔道競技の場合,本国体に出場するためには,成年男子を除く成年女子,少年男子,少年女子の3種別においては,まず九州ブロック大会で出場権を得なければなりません。承知のとおり九州は柔道大国であり全国の中でも激戦区です。長崎県の場合,旧大会規定で少年男子において過去に出場経験があるものの現行規定では,ブロック突破を成し遂げたことがありませんでした。つまり,現行規定になって以来,成年男子以外は一度も本国体に出場したことがありませんでした。得点どころか出場もできなかったわけです。それが,平成16年度,少年男子,少年女子がそろって悲願のブロック突破を達成し,埼玉国体に成年男子,少年男女そろって出場することができました。県下柔道関係者が一丸となって地道に強化を推進してきた賜でした。平成15年度開催された「長崎ゆめ総体」の成功に向けての想いが,子ども達に根強く浸透し,持続している証だったのです。「長崎県だって,やればできる」という強い誇りを誰にでも確信することができました。

 平成17年度岡山国体に向けて,まだこの波はおさまっていません。平成17年度は,さらに一歩前進し,まずは九州ブロック突破,本国体でベスト8(5位)以上に入賞し,今度は是非,得点を確保できるところまで進んでもらいたいと期待しています。